松は地域によっては年に2回手入れをすることがあります。
北海道のような北国では年に1回透かし剪定をして雪が積もりすぎないようにしますが、九州のような温暖な地域では梅雨時期に芽切りという作業を行い、冬季に古葉落としという作業を行うのが主になります。
九州でも年に1回の松の剪定でも形は保つことができますが、それ以上の期間を空けてしまうと、樹形の維持が難しくなってきます。日光不足による枝枯れや風が通らないことによる虫害、枝が太くなりすぎるなどの理由からです。
こちらの松は2年手入れが出来なかった状況で初めて剪定に入らせていただきました。
ご覧のように鬱蒼と茂っています。
ここまでなると枝先だけを切って整えるだけでは不十分です。
枝と枝とが交差して絡み合っていますし、立ち枝も太くなって樹形を乱していますので枝抜きをしなくてはいけません。注意しなくてはならないのが、枝を落とすことをためらうあまり細い枝から切っていくという失敗をしてしまうことです。悪い枝は大抵太い枝にあります。細い枝を良い枝に仕立てて世代交代を図るには太い枝→細い枝の順番で剪定しなくてはなりません。(全く技術のない人はそれを分からないので技術のない人に太い枝から切らせるとそれはそれは悲惨なものになります)
上の写真の松は剪定するとこのようになります。
もちろん枝抜きだけではなく古葉落としや透かし剪定も取り入れています。
下から見上げた松の枝ぶりを見ていただくと分かりますが松の枝は稲妻の形や亀甲の模様を参考にすると良いと言われています。
松の手入れは難しいと言われますが、枝を落とすべき優先順位や透かしの基本を学べば大丈夫です。しかし重ね重ね申しますが、そのような原理を分かっていない人に頼むと取り返しのつかないことになります。